頚椎椎間板ヘルニアについて
2022/07/10
概要
頚椎は7つの骨で構成されています。
骨と骨の間には椎間板が存在しており、頚椎椎間板とは、椎間板の一部が飛び出てしまう病気です。20~30代の若い世代によくみられますが、正確な頻度はわかっていません。
飛び出た椎間板が近くにある神経を圧迫することがあり、首の後ろや肩、腕に痛みやしびれなどが現れます。
原因
姿勢不良やスポーツなどが原因として発症すると考えられます。特にパソコン業務やスマートフォンをよく使用される方やラグビーなどコンタクトスポーツをされてる方が多いです。
症状
症状は、飛び出した椎間板が神経をどの程度圧迫するかによって変わります。
軽症の場合は、首の後ろや肩、腕の痛み・しびれなどがみられることがあります。また、首の後ろの筋肉が過剰収縮すると頭痛が生じます。
重症の場合、痺れの程度や痛みが強くなり、運動機能障害が生じるようになります。手指の動きが悪くなり脱力感、巧緻動作(細かい動作)に支障が生じたりします。
検査・診断
頚椎椎間板ヘルニアでは、レントゲン検査やMRI検査などの画像検査が行われます。特にMRI検査では、ヘルニアの状態を詳しく検査することができます。その他、特殊な検査として、脊髄造影検査・椎間板造影検査・筋電図などもあります。
治療
軽いしびれや痛みなど、軽症の場合は保存療法、筋力低下の程度が強い場合や運動麻痺症状が現れているなど重症の場合は手術療法が検討されます。
保存療法
頸椎の安静を図ることが第一優先です。
頚椎カラー(ネックカラー)と呼ばれる装具をつけたり、枕の高さを調整したりします。また服薬として消炎鎮痛剤やビタミン剤の内服を行います。
頚椎カラーを長期間使用していると頚部の筋肉が萎縮してしまい、長期にわたる頚部痛が残ることもありますので、漫然とした使用は避けるべきです。数日間、頚椎カラーを装着して症状が和らぐことが確認できれば、4~8週間装着します。
リハビリでは、頚椎の椎間板が飛び出したストレスの原因となる姿勢不良やスポーツ動作での筋力低下や可動域制限の改善などを目標にリハビリをします。物理療法では牽引療法で関節間の理解を図りストレス軽減を目指します。
服薬で炎症症状(痛みなど)や痺れの軽減を図りながらリハビリでストレスの原因となる問題点の解決を図り保存療法を実施します。
手術療法
重症例や保存療法実施していても運動麻痺が進行した場合は手術療法が選択されます。ヘルニアがどの程度生じているかで手術の方法は変わります。
手術法としては、頚部の前方から到達する方法(頚椎前方到達法)が原則として行われます。この手術は、全身麻酔下で仰向けの姿勢で行います。
頚部の右側(場合により左側)に皮膚切開を行い、気管と食道を正中に引き寄せながら頚椎の前面に到達し、頚椎の一部を削り、脊髄の方へと進みます。
手術操作は手術用顕微鏡下に慎重に行われます。脊髄に対する圧迫を除去できたことを確認後、頚椎に出来た空間に、腰骨からの骨や人工物を挿入します。通常は2-3時間程度の手術となります。
終わりに
今回は頚椎椎間板ヘルニアについて紹介しました。
ヘルニアとは本来、体内のある臓器が本来あるべき位置からはみ出してしまった状態のことを指します。
そのため椎間板が飛び出して神経を圧迫することをヘルニアといいます。
神戸の整形外科、おかだ整形外科ではどういった症状の患者様でも真摯に向き合い治療しています。
肩こりかな?頭痛がする。そういった症状はヘルニアのサインかもしれません。
相談してみてください。
理学療法士 牧 将平